2022年07月14日

これまで作れなかったカタチを造形できる金属3Dプリンター

これまで造形が不可能、または困難だったカタチのものも、金属3Dプリンターでは造形可能です。この章ではまず、金属3Dプリンターの概要と金属3Dプリンターを取り巻く世界市場について解説します。

金属3Dプリンターとは?
金属3Dプリンターとは、パソコンなどで制作した3Dデータをもとに、設計したデータの形に金属を使って造形していく装置のことです。制作した3Dデータからスライスデータを作成し、一層ずつ金属材料を積み重ね、これを繰り返して対象物を造形していく仕組みです。

3Dプリンターには、金属を造形する「金属3Dプリンター」と、プラスチックなどの樹脂を造形する「樹脂3Dプリンター」があります。通常の3Dプリンター(樹脂3Dプリンター)は樹脂を用いるのに対して、チタンやアルミニウム、ステンレスなどの金属を使うものが、金属3Dプリンターです。


樹脂3Dプリンターのほうが歴史は古く、熱源となるレーザーの出力が高くできるようになったことで、約20年前から金属の造形も可能でした。しかし、当時はまだ金属を完全に溶かすことはできず、金属の粉末同士が表面で結合する「焼結状態」での造形でした。

比較的融点が低いといわれる金属であるアルミニウムでも、600度以上で溶かす必要があります。そのため、金属3Dプリンターの装置価格は約8,000万円から、高いものでは2億円以上 と非常に高額で、ほとんどのものは工業用です。これに対して樹脂3Dプリンターは、比較的安価な個人用のものも販売されています。


金属3Dプリンターを取り巻く世界市場
2020年8月に発表されたグローバルインフォメーションの「金属3Dプリンティングの世界市場(2019‐2025年)」によると、金属3Dプリントの市場規模は、2019年時点で3億7780万ドル(約400億円)でした。これが2025年には7億3880万ドル(約783億円)にまで達し、年平均24.41%で成長すると予測されています。

また、地域別にみると、2019年度の市場は欧州と北米が中心で、この2つのエリアだけで売上の60%以上を占めています。一方、日本は、世界全体の10%にも満たない程度です(日本能率協会総合研究所(JMAR)「世界の金属3Dプリンター市場規模・予測」)。

しかし、今後は国内市場において需要の拡大が期待されています。

金属3Dプリンターの用途は、歯科や医療、航空など、おもに欧州の基幹産業を中心に多岐にわたります。近年でも欧米を中心に、金属3Dプリンターの開発と金属3Dプリンターの特徴を活かした金属製品の開発・実用化が進んでいます。

現在はコロナウイルス感染症の影響により市場停滞に見舞われていますが、金属3Dプリンターは、航空宇宙・防衛・ヘルスケア分野での活用拡大にともなって市場拡大の傾向にあります。

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Posted by maa2ya8 at 16:07Comments(0)